卓球道の伝道師
三谷啓之
キャリアがないからこそ
心底愛している卓球で仕事をすることに価値がある
三谷の経歴
最初に言っておきます。
私は全国大会やそれ以上の大会に出たことがあるようなエリートでも何でもありません。
それどころか、賞状といったものすら受け取ったこともありません。
だからこそ、
強くなりたいけどなれなくて悔しい
うまくなりたいけどどうしたらいいかわからない
表彰されて脚光を浴びたい
というプレーヤーの気持ちは全国大会、それ以上の大会に出たことがあるコーチより分かります!
私自身の卓球キャリアは中学から始めたごく普通の中学組
中学では部内では1番強かったものの、楽しんでやれれば問題ないと思っていました。
それが、高校に入ってから卓球の面白さにのめり込み、本格的に打ち込むようになります。
当時はYouTubeのような気軽に見れる動画サイトがなかったので、海外のサイトにアクセスしては毎日擦りきれるくらい動画を見ては研究を重ねてきました。
なぜなら私の戦型はカット
今もですが、数少ない戦型の1つです。
部内にはカット型がいないので聞くことができない。
顧問の先生は攻撃型で、守備のことを教えられませんでした。
研究するということは楽しみではありましたがそれ以上に
部内で勝つには?
強豪校を倒すには?
という勝ち上がるためには、生き残るためにはそうするしかなかったという表現がしっくりきます。
そこまでがんばってやっても県大会に出るのがやっとでした。
理由の1つとして当時は、弾む接着剤が使えたからです。
塗るとスピードとスピンが飛躍的にあがる上に、所属していた高校では誰も使っていないという環境でした。
けど、勝ち上がればみんな当たり前のように使っています。
研究を重ねて重ねて、どれだけ重ねても
用具のパワーで
1発のとんでもないスピードとスピンのあるドライブで
あっという間に一蹴されてしまう。
ですから、試合では受けたことがないボールを相手にすることが多く、どうすることもできないのかと絶望していました。
追い討ちをかけるように、入学した大学には卓球部もサークルもない
諸事情も重なり、大学に入ってからは一試合も出場することなく選手をやめました。
今までの人生の中で最も消化不良かつ悔しさが残るものとなりました。
そんな中、私が選手をやめるときに思った最後の一言がこれでした。
卓球で仕事をする。
卓球の実力をつけたいけどどうすることもできないという過去の私のような選手が生まれないために、才能の差を埋めることは難しくても、それを埋められるくらいの環境と指導は望めば誰もが手に入れられるようにしたい!
そんな思いで指導の勉強を始めました。
キャリアがないということはゼロから仕事を作るということである
この勉強のおかげか大学院に進学、その1年後(2012年)アメブロでブログを書き始めることが、私の卓球で仕事をするスタートです。
全国大会出るような選手からすれば当たり前のことも、一般の選手や初心者の視点では大変参考になったと好評をいただいたのを今でも覚えています。
また大学院生活で
・大学の授業で私自ら指導する
・世界卓球でメダルとったことがある教授のもとで指導を受ける
こんな経験をしたことが今の私の卓球コーチのベースとなっています。
卓球で仕事をすると決めて大学院へいったはいいものの、卓球の仕事をするのにもいくつか候補があります。
2016年のリオ五輪以降、日本の卓球人気はあがっていますが、2013年はまだまだ人気ではありません。
メーカーの採用枠はかなり少なく、研究職か卓球で何かしらのキャリアを持っている方がほとんど。
面接すら受けさせてもらえず落とされました。
コーチに至っては全国大会出場以上が当たり前
ノンキャリアの私が採用なんてもってのほかです。
イベント業はそもそも存在すらしておらず、マネジメント業は採用すらしていない。
スポーツ業界の大手はさておき、卓球のような小さな業界では、選手の実績を考慮してセカンドキャリアが形成されます。
選手の実績があるから、引退してもコーチやメーカーとして仕事をすることができます。
言い換えれば、選手の実績がなければ仕事をすることができないということもできるわけです。
大学院で勉強しイヤというほど聞かされていましたが、現実となってしまったのです。
また2013年といえば就職氷河期でもあります。
キャリアがない私が卓球という仕事がやりたくても、採用してくれる会社は1つもありません。
卓球の仕事ができる会社がない以上、自分で仕事をつくるか卓球の仕事が出てくるまで待つかの2択に迫られました。
ゼロから仕事を作る。
はたから見ればカッコいいですね(笑)
当時は珍しかった副業で卓球のプライベートコーチとして仕事を始めるものの、コーチをお願いしたい方は地元の岐阜ではなかなか現れません。
そんなこんなでもがいていた2年後の2015年、たまたま求人があった卓球専門店に採用され、用具販売の仕事をすることになりました。
社長が熱意を買ってくれたのかもしれません。
主な仕事は用具販売と営業先のコーチ
ここで仕事をするということは、高校の時に思い描いた卓球で仕事をするという夢を達成したということになります。
夢は達成した。次はどうする?
ですが、悲しいかな卓球業界はお世辞にもいいとは言えない労働環境です。続けていいものなのか。
色んな営業先で用具販売とコーチをするにつれて、こんな思いを抱くようになります。そしてここでも2つの選択を迫られるのです。
販売かコーチか
販売だったら、多少労働環境は目をつぶって残ればいい。
コーチだったら、残ってやることはむずかしい。
専門店である以上、用具を売ってなんぼ。
2つの仕事をして楽しかったのはコーチでした。
私は楽しくできたこと、最初に卓球の仕事をすると決めた
「才能の差を埋める環境と指導は望めば手に入れられるようにする」
という想いを大事にしコーチを選択、会社を去ることにしました。
コーチをするということは自分の経験を教えることでも
技術を教えてうまくすることでもない
2014年から、お金をもらってコーチするプロとして活動を開始しています。
2015年より岐阜から名古屋に活動拠点を広げたところ、名古屋にはレッスン受けたい方がたくさんいらっしゃいました。
ノンキャリアの私でも求めている方がいるんだ。
そんなうれしい気持ちになったこと、そして一瞬でその気持ちがなくなったことを覚えています。
卓球はラケットの感覚と身体の使い方が一致して初めてコントロールできるスポーツ。
感覚をいろんな表現で示しても、伝わっていない。
1回目来ても2回目来ない。
私は問題ないと見ているのに、受講生は問題があると思っているといった認識のズレが多い。逆もしかり。
自分で経験してきたことを、わかりやすく説明するだけではコーチではない。
「名選手名監督にあらず(名選手ですらなかったが笑)」とは言葉としては聞くが、やっぱりそうなんだなと身にしみて感じた瞬間でした。
これは1からコーチとしての勉強をする必要がある。
選手をやめた直後は、自分の経験をいかにして伝えるための勉強をしていましたし、それが指導の勉強だと思ってました。
実は見当外れで全く意味がないとようやく知ることになります。
2017年から名古屋の金山にて卓球教室の店舗でコーチをします。
店舗経営をする以上、いよいよ悠長にしていられなくなりました。
メンタルトレーニング、身体の使い方、心理学、投資、勝負理論、コーチング等々
卓球に必要になりそうな様々なジャンルに自己投資して勉強していきました。
そのおかげか、2018年には身体の才能の差なら埋められるコーチができるようになっていました。
教室でレッスンを受けた方は最短10分で、見るからに違うボールを打てるようになっています。
できなかったことができるようになる喜び
難しいとされてた技術が意外とカンタンにできる驚き
体験したことのないようなボールを打てる衝撃
味わっていただき大変好評でした。
手ごたえのようなものを感じてました。
しかし、技術はうまくなって同じように打てているにもかかわらず、本番で成果が出る方となかなか出ない方の明暗がはっきり分かれてしまいました。
実は、成果や結果を出すためにはホントに重大なことに気付くのは2019年に今池に移転してからなのです。
コーチをするということは
選手自身が目標を達成する日常を作ることである
コーチをする以上、卓球技術をうまくすることは当たり前です。
最近だと、短時間でうまくすることも当たり前になってきているように感じます。
ですが、うまくなると強くなって成果を出すは似ているようで全く違います。
卓球の技術を覚えれば強くなるかといわれると違います。
うまくはなりますが、強くはなりません。
成果が出ない方は、短時間で技術がうまくなったことで満足してしまいます。
そこから発展できない上にさせようとも思わないので、強くなれないのです。
なぜなら、強くなるには覚えた技術の使い道・タイミングを知って得点に結びつける力が求められるからです。
また、相手が持っている得点できるモノを防ぐことも求められます。
これは、技術を覚えたところで身につくものではありません。
じゃあ、使うタイミングを覚えれば強くなるかといわれるとこれもまた違う。
使うタイミングが来なければ、来るように自分から誘導しなければ何もできず終わるからです。
じゃあ、使うタイミングを誘導できるようにするには?
1つしかありません。
普段から思考しているか
成果を出した方はもれなく、練習の時はもちろん日常生活でもいろいろと相手のことを考え、試し、課題を持ってきては相談し、レッスン通じて自分のものにしていく方たちでした。
そして、そういう方たちに共通していたのがこの質問にはっきり答えられるかです。
あなたはどうなりたいのか?
なぜそうなりたいのか?
シンプルな質問ですが常に自問自答を重ね、思考するというトレーニングを積んでいかないと答えを示すことがむずかしい。
その力が備わっているからこそ、自分の卓球と相手の卓球の力関係を見て適切な判断をすることができ、勝利や目標達成へと近づいていくのです。
あなたは目標を掲げたことが1度でもあるんじゃないでしょうか。
全国大会いきたい。
〇〇大会で優勝したい。
レギュラーに入りたい。
などですね。
卓球するなら大会出たいし、1回でも多く勝ちたいと思うんじゃないでしょうか。
じゃあお聞きします。
なぜ、その目標を達成したいのですか?
達成してあなたはどうなりたいですか?
しっかり答えられれば、あなたの目標は達成できます。
これができれば、技術を覚えたり点を取るための能力を磨くことはカンタンです。
卓球以外でも、卓球をやめたとしても役立てられるんじゃないかと見ています。
三谷は今後どうしていきたいか
私は、卓球本来の楽しみおよび卓球で培われる本質的な力を伝えるために、
その結果、日本を今よりもっと明るくするために、卓球教室をやっています。
そのために私は、業界と自分のキャリアに挑戦します。
業界への挑戦とは、卓球を仕事にして豊かになれる
ロールモデルになることです。
私は、卓球を仕事をして豊かになれる業界を
実現した後、日本・世界を視察して各地に自分たちの教えを広めます。
それは、卓球の本来の楽しみを知ってもらうためです。
キャリアへの挑戦とは、選手としての実績はなくとも、
講師としての実績を叩き出すことです。
今後は卓球ではまだあまり芽が出ていない
国に赴いて指導を考えています。
世界卓球またはオリンピックでメダルを獲得する選手を輩出します。
その後、卓球の本質的な力を他の分野で応用します。
それは、他のスポーツ競技であれば
体の使い方、目と脳の使い方などですが
判断力や素早く動く力などスポーツ以外でも生かせるよう
養成することに活用します。
勉強なら、国数英社理すべてに活かせる要素が詰まってます。
仕事なら、相手を見て先を読む(営業)
即決する(経営者)、対応力(エンジニアや士業)などに活かされます。
このような日常生活での気づきや学びは卓球にも活きます。
日常生活にも卓球につながる指導をする
そんなプロ卓球コーチとして今後も歩み続けていきます。